モコナがタチコマを作ったら

メインはホリックとツバサ。その他CLAMP作品・攻殻機動隊などなどアニメや漫画の事をつれづれなるままに。ネタバレ発言も多々、お気をつけを。

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xxxHOLiC・戻<レイ> 連載第45回

2015.10.05 (Mon)
火のついた煙管を盆に置いたまま、夜更けにミセの縁側で顔を伏せた四月一日が思い悩んでいる。

「・・・だから 玄関から入れって言ってるだろうが」
百目鬼がいつもの様に直接庭に入って来た。
深刻さが滲み出ている四月一日の顔を見つめる。
黙ったままミセに上がり込み、何処かへ行こうとする百目鬼。
「てめぇ 何処に・・・」
「台所だ」
「こんな夜中に 飯、食ってねぇのかよ」
「食った 茶を淹れてくる」
「酒じゃねぇのか」
「酒は入らねぇほうがいいだろう 戻ったら話せ」
「・・・何を」
「おまえの中でぐるぐるしてるもんだ」

茶を淹れてきた百目鬼が四月一日の隣に腰を下ろしている。
「・・・紅い真珠の対価はとてつもなく重い 雨童女は分かっていてそれでも欲しいんだろう けれど」
「渡していいのか迷っているのか」

「・・・そうだ おれは迷ってる
 座敷童が消えない為に必要だと言われた
 きっとそうなんだろう
 でも
 おれが座敷童に直接会えばもっと別の方法を探せるかもしれない
 その可能性があるのにあんな重いものを渡してしまったら
 雨童女まで・・・」
「それでも 会いたくないと伝えられたんだな」

「・・・ああ
 無理に座敷童に会う事
 今のおれなら出来るだろう
 でも
 会いたくない側の気持ちはどうなる
 消えるかもしれないけれど それでも会いたくない
 それだけ強い願いを無下に扱っていいのか」
「それも迷っていると」
「・・・・・・」
手で顔を覆い下を向く四月一日。

「決められないなら 別の何かに任せるのも有りなんじゃないか」
百目鬼の言葉に怪訝な顔を上げる。
「何かって」
「例えば おれが夕飯に喰ったのは秋刀魚か、鯖か」
「は?」
何のことか分からず百目鬼を見る。
「どっちだと思う?」
「分かるわけねぇだろ」
「当たったら渡す 外れたら渡さない」
「ふざけてんじゃねぇぞ」
「投げた小銭が裏か、表か
 明日の朝 最初に声をかけてくるのがマルか、モロか」
「おまえなぁ」
「決められないなら
 自分で決めないのも有りなんじゃねぇか
 だから、この店にも占って欲しいと願う客が偶にくるが
 おまえは断らないんだろう
 大事なのは
 占いで決める事を選んだのは自分だという自覚と
 それがどんな結果であれ
 自分で対処するという覚悟だろ」

「・・・・・・」
茶を飲む百目鬼の横で、暫くどこかを見つめ何かを得たように目を伏せる。

「百目鬼のくせに生意気なんだよ」
怒ったような顔で百目鬼を睨み、湯呑みの茶を『ぐいっ』と一気に飲み干す四月一日。
立ち上がると、百目鬼の湯呑みも取り上げる。
「茶の代わりなら」
「酒だ、酒 なんか強いの」
「バーボンがいい」
「だから生意気なんだよ 下から二番目のやつな」

湯呑みを持って台所に行く四月一日の後ろ姿を見ながら百目鬼は思う。
「迷えばいい
 迷うのは
 ・・・おまえが『ひと』だからだ」


完全に月一掲載が定着してしまった、ホリック・戻 連載第45回でした。
他人の不幸に敏感な四月一日が久しぶりに悩みまくっています。
まだ店主代理の四月一日には百目鬼が必要なんですね。

「ツバサ ニライカナイ編」の第2巻が10月16日に発売になりますが、発売記念に描き下ろしの「堀鐔学園」が、週刊少年マガジンの47号に掲載されるようです。

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